
太陽光発電の買い取り価格に関して
2005年5月21日 中川発電所 中川修治
「太陽光・風力発電トラスト」運営委員、中川です。
以前、オール電化住宅の場合の電力の買い取り価格に関して、MLに投稿し
たが、間違いがあったので訂正する。
(この間違いを指摘してくれるメールすらないことが悲しい。それほど価格
に関して興味が皆さん無いのかなと逆に疑問に思います。だって、経済性が
合えば普及は進むのだからね・・・。其れは発電原価保証を取る為には実に
重要なことなんですよ)で、何が間違いだったか・・・
九州電力の場合のオール電化住宅の電力の買い取り価格は24円ちょっと。
つまり、夏場やその他期を含めてデイタイムとしていて太陽光発電が最も社
会に貢献(電力企業の負荷平準化に役立っている)している時間帯の価格で
は買っていないのだ。
その事は余り知られていない。ただ、一般のお客さんはそういうものだから
と思わされて契約しているだけだろう。それでも10年ちょっとで費用回収
が出来るようになったのだから随分、太陽光発電設備の価格は下がったもの
だ。確かに工業製品の学習曲線どおりの価格低下を示している。
さて、ではこの買い取り価格がフェアーかどうかである。実はこの買い取り
価格、電力会社によってまちまちなのだ。何と、オール電化にすると関西電
力の場合は逆に下がってしまう場合もある。
東京電力は25円になる。時間帯別の夜型10時間にすると最高で29.8
円で買うという。但し、そこから逆にどんどん安いほうへとシフトしていく
料金体系だ。全く、電力企業様の言うとおりの価格でしか太陽光発電の電力
は売るしかないのだ。
実に理不尽だ。ピーク削減の貢献度に応じて買い取るのは当然の責任である。
ところで、ここで私が以前から主張している系統におけるこのピーク削減効
果に関してそれをさらそれを上回る価値があるとする考え方を示した本が出
た。
あの嘗て「ソフト・エネルギー・パス」を書いたエイモリー・B・ロビンズ
氏の近著「スモール イズ プロフィッタブル」(訳・山藤泰、出版・省エ
ネルギーセンター)である。
彼は、この著書においてピーク削減効果があることは言うまでも無く、巨大
発電設備自体が実は規模の経済という神話から外れていてある規模を超える
と逆に高コスト化しさらに不安定要因として働く既存のシステムの中では太
陽光発電のような分散型電源は実に有効に経済的な利益を電力企業にもたら
していると指摘している。
それは容易に想像がつく。高圧送電線の倒壊による広域の停電、大規模発電
所の停止による電圧低下から引き起こされる系統の崩壊。ニューヨーク大停
電もそうした原因よるが、実に大きな経済的な不利益をもたらす。そして、
その原因の一つとされる需要のピークこそが電力にとってのアキレス腱なの
だ。
さらに、問題はこのピーク需要の増大は、系統の物理的な寿命を劣化させて
いるという事実もある。それは、トランスの中のオイルの劣化などをもたら
して経済的損失を発生させているのだ。
しかし、こうした事を日本の電力企業も米国の電力企業も自らは言わない。
ただ、米国の場合は日本と違って相対的に自由化が進んでいる為にそうした
コストが顕わになった。そして、その事実からロビンズ氏はこの事を解明し
たのである。
新エネ特措法(自然エネルギー阻止法)の穴を見つけてその価値を誰かに押
し付けるようなビジネスモデルを考える前に、私たちが為すべきことは電力
企業の本来負担すべき価値を明らかにし、そのコスト負担及びあるべき未来
の電力供給のあり方を提示することだと思う。
それが社会的な基礎財をである電力供給におけるそれぞれの費用負担を明ら
かにしまともな企業としての行動を今の電力企業に要求する為にも必要なこ
とだと思う。
時間帯別、規模別、設置場所による 系統に置ける価値をどう位置付けその負
担を適性にその需要化がそれぞれ負担すべきかを議論すべき時期なのだと思
う。
そうした議論がおこなわれることこそが、今の電力企業を社会的な有用な存
在として生かすことにもなるだろう。
※ロビンズ氏の本はちと高価であるので、個人で買うのはと思われる方は是
非、お近くの図書館にでも購入してもらい、多くの皆さんが利用できるも
のとしてもらいたい。これは訳者からの伝言でもある。
【参考ファイル】
http://www.watsystems.net/~trust/mirai-s.html
さらに付け加えておくが、私が以前、下記のファイルで指摘した事態が明ら
かになっている。
http://www.watsystems.net/~trust/mirai-s.html
それは太陽光発電協会 (太陽光発電の業界団体)から得た情報であるが、平
成15年のデータは、 http://www.jpea.gr.jp/6/6-1.htm 、年間でのデー
タが出ている。国内224,986Kw海外 182,728Kw 総出荷量 407,714 Kw
となっていて半分以上が国内設置であった。
が・・・。
平成16年第2四半期の国内生産量の166,924Kwのうち、国内出荷
量が72,411Kwで輸出量が何と94,583Kw、半分以上が海外へ
輸出されている。さらに最新の第4四半期の数字は187,566Kwで、
国内が67,983Kw輸出は119,589Kwである。
何と、半分以上が海外へ輸出されている。換言すれば、貴重な放射性廃棄物
もCO2も排出しない環境負荷の無いでエネルギー生産のためのコア・デバ
イスが流失しているということなのだ。
此れは何度も指摘してきたが、日本の経産省官僚の政策の失敗以外の何物で
もないだろう。
以上